FXのピボット(PIVOT)とは?使い方や計算式、手法など徹底解説!
FXトレーダーのみなさんお世話になっております。【異国の戦士】相場分析チームのひらっちです!
この記事では、FXのテクニカル分析で使用される指標『ピボット』の基本的な使い方をご紹介します。
「ピボットでは勝てない」という声を聞くこともありますが、もちろん1つのインジケーターだけで勝ち続けることは難しいと思います。
しかし、使い方によって勝率は上げられますし、ピボットは世界中のトレーダーが注目しているため、最強の指標のひとつと言えるのではないでしょうか。
ぜひ、この記事をトレードの参考にしていただければと思います。
また、無料でダウンロードできるピボットのカスタムインジケーターもご用意しています。
是非、使ってみてください。
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目次
ピボット(PIVOT)とは?
ピボット(PIVOT)とは、値動きを予測するための7本のラインを描画するテクニカル指標のことで、RSIやパラボリックを開発したJ.W.ワイルダー氏の開発したテクニカル指標です。
世界中で非常に大人気のテクニカル指標です。
前日または前週、前月の高値・安値・終値から算出される、下記の7本のラインで構成されます。
- R3(第3レジスタンスライン)
- R2(第2レジスタンスライン)
- R1(第1レジスタンスライン)
- P(ピボットポイント)
- S1(第1サポートライン)
- S2(第2サポートライン)
- S3(第3レジスタンスライン)
基準となる中心のラインが「P」です。
そのピボットポイントの上下にそれぞれ3本のサポートライン&レジスタンスライン(R3、R2、R1、S1、S2、S3)が引かれます。
各線がサポレジポイントとして機能し、逆張りでのエントリーや利確目標などに利用することができます。
特徴
以下の画像を見ると、相場がピボットのラインでの攻防をしながら値動きしていることが分かります。
移動平均線やボリンジャーバンドなどのテクニカル指標と違い、ピボットは設定値の変更をすることがありません。
つまり、多くのトレーダーが同じラインを見ており、大口投資家や機関投資らも注目しているラインとなります。
そのため、ピンポイントでライン付近で値動きの反応が見られることが多いです。
トレーダーが各々引いた水平線やトレンドラインも個人差があり反発が見られないことも多いですが、ピボットの場合はその点で信頼性が高いです。
種類
ピボットには、基準とする時間足によって種類があります。
「デイリー」「ウィークリー」「マンスリー」の3タイプがあり、それぞれ算出に使われるローソク足の期間が異なります。
ピボットの種類 | 使用する時間足 | 向いているトレードスタイル |
---|---|---|
デイリーピボット | 前日の日足 | スキャルピングなどの短期向け |
ウィークリーピボット | 前週の週足 | デイトレード・スイングトレードなどの中期向け |
マンスリーピボット | 前月の月足 | 中長期のトレードやポジショントレード向 |
このように、どの期間のローソク足を基にするかによって、ピボットのライン(支持線・抵抗線)の計算値が変わってきます。
中でも、最も一般的に使われているのは「デイリーピボット(前日の値動きから算出されるライン)」で、特に短期トレーダーに人気があります。
デイリーピボットは毎日ライン位置が更新されるので、主に5分足などの短期トレードで使用されます。
「ウィークリーピボット(前週からの値動きで算出されるライン)」「マンスリーピボット(前月からの値動きで算出されるライン)」は1時間足以上の長期足でのデイトレードやスイングトレードで使用されることが多いです。
なお、ピボットの種類が異なっても、基本的な使い方(反転ポイントや支持・抵抗の目安として活用する)は同じです。
自分のトレードスタイルや保有期間に合わせて、適したピボットを使い分けることが大切です。
計算式
ピボットの各ラインは次のように計算します。
ピボットの計算式 ※デイリーピボットの場合
P(ピボットポイント・基準線)=(前日の高値 + 前日の安値 + 前日の終値)÷ 3
R1 = (2×P) - 前日の安値
R2 = P + 前日の高値 - 前日の安値
R3 = (2×P) - (2×前日の安値) + 前日の高値
S1 = (2×P) - 前日の高値
S2 = P - 前日の高値 + 前日の安値
R3 = (2×P) - (2×前日の高値) + 前日の安値
こちらの計算式は特に覚える必要はありません。必要に応じてご参考ください。
ピボットを使った2つの手法
①複数の時間軸で根拠を高める
複数の時間軸のピボットを組み合わせることでさらにラインの根拠を高めることができます。
上の画像では1時間足チャートに、ウィークリーピボット(黄色)とマンスリーピボット(水色)の2種類の時間足でピボットを表示しています。
2種類のラインが重なる、もしくは近くにある価格帯は、ライン1本よりも、より強いサポートライン、レジスタンスラインになる可能性が高いといえます。
このような使い方でもトレードの根拠を高めることができます。
②サポレジゾーンと組み合わせて勝率を上げる
ピボットポイント単体でも強力なレジサポラインとして機能する可能性は高いですが、サポートゾーン/レジスタンスゾーンと組み合わせることでさらに勝率が高まる可能性があります。
上の画像を見ていただくと分かる通り、例えば、過去反転した高値のゾーンと、ウィークリー・マンスリーのピボット、3つの根拠が重なるポイントから価格が再下降しているのが分かります。
このように、チャート自体の高値安値から反転しそうなゾーンを分析し、そのサポレジゾーンとピボットの重なるポイントがあれば、さらに反転の可能性が高いポイントと考えられるでしょう。
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FXツールを数多く開発している【異国の戦士】では、PIVOTのカスタムインジケーター【異国のPIVOT】を無料でダウンロードいただけます!
【異国のPIVOT】は、価格がラインのどれかにタッチするとドットのサインが表示されるようになります。
さらに、ドットのサインが出現した時にはメール通知・アラート通知・プッシュ通知機能を設定できるため、見逃し対策も万全。
また、ボタンひとつでピボットの表示・非表示がワンクリックで可能なので、他のインジケーターや分析の邪魔になったときなどにも非常に便利に使えます。
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ピボットを使った相場分析の方法
では、ウィークリーピボットとマンスリーピボットを1時間足で表示しながら、ドル円、ポンド円、ユーロ米ドルの今後のエントリーポイントを日足と1時間足で探っていきたいと思います。
※こちらは過去の時点(2023年12月)における相場分析となります。相場分析の方法として参考にしてみてください。
ドル円のエントリーポイント
- 日足
日足では大きな上昇トレンドラインチャネルの下限に到達した状況 - 1時間足
1時間足では長い間下降中で下降トレンドラインが引けます
値動きの波の動きがピボットポイントによって階層分けされて分かりやすくなっていることがお分かりいただけると思います。
日足では上昇トレンドラインの下限に到達、しかし1時間足ではまだ下降の流れがありしっかり切り返してはいない状況です。
そのため、1時間足でしっかり下降の流れをブレイクしてきたら、日足でも陽線のローソクが出てくる流れになり、そこからはロングチャンスを狙うことができると考えられます。
その際、直近のレジスタンスゾーン①である148.500付近をしっかり上抜けると明確にダウ理論で切り上げ転換となりますので、しっかりここまでの切り返しを確認してからロングを狙っていきたいところです。
そして、このレジスタンスゾーン付近はウィークリーピボットとマンスリーピボットのラインが2本ありますので、価格が到達、ブレイクする際には非常に重要なポイントであることが分かります。
ですので、この付近をしっかり上抜けてからのロールリバーサルでの再上昇のシナリオが考えらます。
また、ここからさらに下降する場合は、146.000付近にこちらもウィークリーピボットとマンスリーピボットの2本がありますので、この付近では下げ止まる可能性を考えることができます。
このようにピボットは、チャートのテクニカル分析でサポレジゾーンが見つからない時でも、値動きを予測する助けになります。
【今後の値動きシナリオ】
①下降トレンドラインを上抜けしてサポートゾーンとピボット2本が重なるポイントでの再上昇
②次のピボット2本の重なるポイントまで下降
ポンド円のエントリーポイント
- 日足
ポンド円日足は直近大きく下げてはいますが上昇トレンドラインを引くことができます - 1時間足
1時間足では下降中で下降トレンドラインを引くことができますが、直近ダブルボトムを形成形成しています
日足では上昇トレンド中で上昇トレンドライン下限付近、1時間足ではダブルボトムを形成中です。
そのため、1時間足の186.500付近のレジスタンスゾーンマンスリーピボットの重なるポイントをしっかり上抜いてきた場合には、上昇トレンド転換してその後のロールリバーサルでの再上昇を狙うことができると考えられます。
また、ここから下降した場合は、日足のサポートゾーンとウィークリーピボットの重なるポイントが下げ止まるポイントの目安とイメージすることができます。
【今後の値動きシナリオ】
①下降トレンドラインとピボットを上抜けてからのロールリバーサルで再上昇
②日足のサポートゾーンとピボットの重なるポイントまで下降
ユーロドルのエントリーポイント
- 日足
ユーロドル日足は急上昇した動きから一転大きく下げてきており、高値切り下げラインを引くことができます - 1時間足
1時間足でも下降中で下降トレンドラインを引くことができます。
日足で切り下げラインを引くことができ、1時間足でも下降トレンド中ですので、ユーロドルはショートを狙っていきたいところです。
今現在はウィークリーピボットとマンスリーピボットの2本のライン付近に到達した状況です。
この2本のピボットを下抜けてからのロールリバーサルポイントが、下降トレンドラインの上限とも重なる良いショートポイントと考えられます。
利確目標も、次のウィークリーピボットまでと狙いを定めることができますので、決済ポイントとしても非常に便利なテクニカル指標であることがお分かりいただけるかと思います。
また、ここから上昇した場合は下降トレンドラインとレジスタンスゾーン②を上抜けてしまうと明確ダウ転換となりますので、その際は一旦ショート目線はストップが無難と考えます。
【今後の値動きシナリオ】
①2本のピボットを下抜けてからのロールリバーサルで再下降
②下降トレンドラインを上抜け
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ピボットポイントの魅力は何と言っても大口投資家や機関投資家の注目している価格をピンポイントに狙えるという点です。
他のテクニカル指標と違い曲線ではなく明確な水平ラインですので、シンプルなトレード戦略を建てることができます。
特にFX初心者の方は自分で分析したサポート/レジスタンスゾーンがうまく機能しない、ということもあるのではないでしょうか。
そんな時は、このピボットはパラメータ変更がなく、多くのトレーダーが同じラインを見ていますので、最初はピボットのみの使用でも、十分に優位性があります。
ぜひ試してみていただければと思います!
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