【異国の戦士-FX初心者講座】「ファンダメンタルズ分析」について学習しよう!

異国の戦士-FX初心者講座

 

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このレッスンでは

ファンダメンタルズ分析について学習していきます。

 

FXの分析手法には様々な種類があります。

これまでは「テクニカル分析」について学習してきましたが

今回からは「ファンダメンタルズ分析」について学習していきます。

 

ファンダメンタルズ分析は

各国の金融政策や雇用統計等の経済指標を用いて

中長期的なトレンドを予測する分析手法です。

 

テクニカル分析のほうが比較的単純なため

FX初心者には馴染みやすい一方

ファンダメンタルズ分析は

情報量が多く分析が複雑になりやすいため

苦手意識を持っている方も多いのが事実なのですが

 

今回のレッスンでは

ファンダメンタルズ分析について

丁寧に解説していますので

一気にこのレッスンで学習していきましょう!

 

ファンダメンタルズ分析とは?

FXのファンダメンタルズ分析は

主に経済指標や政策

要人の発言などの情報を使って

今後の値動きを分析する方法です。

 

FXトレーダーはテクニカル分析と同様に

ファンダメンタルズ分析も気にしますが

各国のニュースや動向を

毎日情報収集するといった感じではなく

トレードを始める前に、今日は重要なイベントがあるか

スケージュールをチェックしていき

重要なイベントがあればトレードを控えたり

そのイベントを狙ってトレードをしたりします。

 

ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析と比べると

政府関係以外の一般人が得られる情報は限られており

情報量やスピードで他のトレードより有利に立つことは困難です。

 

FXでは株の様にインサイダー取引という違反が存在しないように

一般人が他の人より有利に情報を早く仕入れることは不可能なので

FXトレードはテクニカル分析が8割程度で

ファンダメンタルズ分析は2割程度といった

イメージを持っておくとよいかと思います。

 

しかしながら、中央銀行の金利決定会議や雇用統計発表などの

経済イベントによって価格が一気に下落したり上昇したりするので

「いつ」そして「どんな」経済指標が発表されるのか

把握しておく必要があります。

 

では、実際にファンダメンタルズ分析で

気にする経済指標のイベントとは

どのようなものなのか解説していきます。

 

経済指標

経済指標とは、一国の経済状況を測るための指数やデータのことです。

 

これらの指標が市場予想を上回ったり下回ったりすると

通貨価格に大きな影響を与えます。

 

さらに、経済指標の中でも影響が大きいイベントを解説していきます。

 

雇用統計

雇用統計は、各国の雇用に関する数々の統計データを総称したものを指します。

とりわけ、労働市場の状況を示す指標である失業率は極めて重要です。

 

失業率が低いほど、経済状況が良好であり、通貨の価値が上昇する可能性があります。

失業率が予想より低い値を示した場合、通貨の価値が上昇することが考えられます。

 

米国の雇用統計は、原則毎月第一金曜日に発表されます。

 

雇用統計が発表される前後ではツイッターやSNSなので

話題になり、雇用統計が発表されると価格が乱高下します。

 

FOMC(米連邦公開市場委員会)

FOMCは米国の金融政策を決定する重要な機関で

金利の決定や金融政策の方向性について議論を行います。

 

FOMCが開催されると、市場全体がその結果に注目します。

 

FOMCの結果発表やメンバーの発言は

ドルの価値や金利の動向

そして他の通貨ペアにも影響を及ぼす可能性があるためです。

 

特に「FOMC声明」は米国経済の見通しを示す重要な文書であり、

その中に示される金融政策の方向性は

短期的なドルの動きだけでなく

中長期の通貨の動向にも影響を及ぼすことがあります。

 

委員会は、およそ1.5ヶ月に1回のペースで開催されます。

 

年初には一年間の開催スケジュールが公表され

価格が大きく動きますので必ずチェックしておきましょう。

国内総生産(GDP)

GDPは国の経済規模や成長率を示す指標です。

GDPが高いほど、経済が好調であり、通貨の価値が上昇する可能性があります。

 

GDPが予想より高い成長を示した場合

その通貨の価値が上昇することが考えられます。

 

米国の場合、毎月25日前後にGDPが発表されるので

発表されるGDPが市場の予想よりも

高い成長を示すか低い後退を示すか、注意しましょう。

 

消費者物価指数(CPI)

消費者物価指数は物価の上昇率を示す指標です。

費者が購入するモノやサービスなどの物価の動きを把握するための統計指標で

日本では総務省から毎月発表されています。

 

一般的に、物価は、国民のお金回りが良くなり

モノを買う人が多くなれば上昇し

逆にお金回りが悪くなり

モノを買う人が少なくなると下降する傾向にあります。

 

このことから、物価は「経済の体温計」とも言われ

様々な経済政策の根拠として用いられています。

 

したがって

消費者物価指数が高ければ高いほど経済は活発となり

通貨の価値は高まります。

 

反対に低ければ低いほど経済は停滞していることを指し

通貨の価値が下落する可能性があります。

 

ちなみに米消費者物価指数は

米労働省労働統計局(BLS)が毎月15日前後に発表します。

 

貿易収支

貿易収支は輸出と輸入の差額を示す指標です。

 

貿易黒字(輸出額が輸入額を上回る場合)がある場合

国の経済力・貿易力が高いことを示すため

通貨の価値が上昇する可能性があります。

 

逆に、貿易赤字(輸入額が輸出額を上回る場合)がある場合

国の経済力・貿易力が乏しいことを示すため

通貨の価値が下落する可能性があります。

 

要人発言

また、要人発言と呼ばれるイベントがあり

中央銀行の総裁やその他の経済政策担当者の発言が

政策の方向性を示す重要な手がかりとなります。

 

要人発言の内容でも市場の期待を形成し

それが通貨価格に影響を与えることがあります。

 

地政学リスク

地政学的リスクとは、政治的な出来事や

戦争・紛争が通貨価格に与える影響を指します。

 

例えば、政治的な不安定性や紛争が起きると

リスク回避の動きが強まり

安全通貨(例えば米ドルや日本円)への

資金流入が見られることがあります。

 

実際、2022年に勃発したウクライナ戦争では

ロシアの侵攻直後に投資家が安全な資産を志向し

米国と欧州の通貨や債券価格が上がった事例もあります。

 

金融政策

金融政策とは中央銀行が通貨の価値と

経済の安定を目指して行う政策です。

主な金融政策は「金利」で

金利を引き上げると通貨価格が上昇する可能性があります。

これは、金利が高ければ高いほど投資のリターンが高まるので

外国からの投資を引きつけるためです。

また、量的緩和などの金融政策も影響を与えます。

金利政策は長期的な値動きを狙うのに有効な経済イベントなので

このレッスンでも詳しく解説していきます。

 

そもそも「金利」とは一体何でしょうか?

金利とは、資金の貸借において

借り手から貸し手に支払われる利息(貸借料)のこと(正確には元本の割合のこと)を指します。

例えばあなたが100円を誰かから借りるとします。

その際に金利が3%なら

返済する際に100円の3%である3円を付け加えて返済しなければなりません。

もし金利が10%なら110円を、20%なら120円を返済しなければなりません。

つまり、金利が低ければ低いほど借りやすく、高ければ高いほど借りにくくなります。

 

もう一つ例を出しましょう。

みなさんも大きな買い物をする際、分割ローンを組むことがあると思います。

その時、「分割◯回までは金利0%で、それ以降は△%になります」と言われたら

金利がギリギリ発生しない回数に設定しようとすると思います。

そのほうが、返済する総額が少なくなるので、借りる側の負担が小さくなります。

つまり、金利が低いほうが借りる側にメリットがあるわけです。

 

話を金利政策に戻します。 

中央銀行は、民間の金融機関に対してお金を貸しています。

金融機関は借りたお金を、今度は企業や個人に貸すことで

貸す際の金利から利益を生み出して儲けています。

 

では、もしここで中央銀行が民間の金融機関に対して

お金を貸す際の金利を高くするとどうなるでしょうか。

 

金融機関は金利が高くなると返済総額が大きくなるので

借りるハードルが高くなります。

すると、金融機関が保有する現金の総額が少なくなり

金融機関が個人や企業に貸しにくくなります。

 

その結果、お金を借りたいけど借りられない企業や個人が増え

経済全体の消費活動が停滞するのです。

つまり、中央銀行が利上げをすると、経済全体の消費が落ち着くのです。

 

これとは逆に、中央銀行が利下げをするとどうなるでしょうか。

利上げとは逆で、民間金融機関は中央銀行から借金しやすくなり

その結果、金融機関は個人や企業に貸し付けやすくなります。

貸し付けを受けた企業や個人は消費を旺盛に行うので

経済全体のお金回りが良くなるのです。

 

以上のように、金利政策には経済のお金回りを抑制または促進する効果があります。

中央銀行は、インフレが進んで経済のお金回りが盛んすぎる場合には

利上げを行い経済全体の消費量を抑制します。

反対にデフレの場合には、利下げを行い経済全体の消費量を促進しています。

 

ではこのような金利政策はFXにどのような影響を与えるのでしょうか。

利下げした場合、利上げした場合に分けて解説します。

 

利上げの場合 

利上げが行われると、その国の通貨は通常、価値が高まる傾向にあります。

理由は2つあります。1つ目は、利上げが行われるということは景気がいいことの現れだからです。

長期的に経済が発展していくと考えられます。

 

2つ目は、金利が高い通貨は投資家にとって魅力的だからです。

金利が上がると、貸し出しや預金に対する利息が増え

その通貨を保有することで得られるリターンが高まります。

 

したがって、中央銀行が金利を上げると予想される場合

その通貨を買うすることが考えられます。

たとえば、米国が利上げをすると予想されるなら

ドルを買い

他の通貨(金利が低い、または上昇見込みが低い通貨)を

売ることを考えるでしょう。

 

利下げの場合

これとは反対に、利下げが行われると、通貨の価値が低くなる傾向にあります。

なぜなら、利下げは景気が後退している証左であるといえますし

また投資家は金利が高い通貨に流れる可能性が高いからです。

 

したがって、中央銀行が金利を上げると予想される場合

その通貨を売ることが考えられます。

 

以上のように、中央銀行の金利政策はFXに大きな影響を与えます。

 

利上げの場合は

通貨の価値が高まる傾向にあるので買いを狙い

利下げの場合は

通貨の価値が低下する傾向にあるので売りを狙うのがセオリーです。

 

しかしながら、必ずしも利上げ・利下げによる市場の動向が

パターン通りに反応するわけではないので、テクニカル分析等の併用が必要です。

 

まとめ

今回のレッスンでは

ファンダメンタルズ分析について解説しました。

 

経済指標は「いつ」そして「どんな」イベントがあるのか

チェックする必要があるのですが

次のレッスンでは具体的な情報収集の方法や

トレード方法など解説していきますので

さらにファンダメンタルズ分析を深めていきましょう!

 

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