【FX】損切りとは?しないで待つのは危険!設定方法や目安は10pips?
損切りとは、FXなどの投資において抱えている損失を決済して確定させることです。損失を最低限にし、利益を最大化する「損小利大」のためにも、損切りの設定は非常に重要となってきます。
たまに、「損切りをしなければ勝てる」という声もありますが、結論からお伝えすると決しておすすめできません。
FXを始め、投資には勝率100%はありえません。損失は当然あるものとして、いかに最小限に抑えるかが肝となります。
しかし、実際の取引では損切りの目安やルールの決め方が曖昧だったり、何となくトレードをしてしまっていたりする方も少なくないのではないでしょうか?
この記事では、FXにおける損切りの重要性や目安・ルールの決め方、自動で損切りをする設定方法など基本について分かりやすく解説していきます。
目次
FXにおける損切りとは
FXにおける損切りとは、保有ポジションに損失(含み損)が発生している場合、これ以上損失を拡大させないために、決済注文を出して損失を確定させることを言います。
FXはレバレッジを効かせて取引することも多いため、思わぬ損失を防ぐためにも、損切りは非常に重要となります。
FXの取引はポジションを保有した後に損失が出ることが多々あります。しかし、この損失は決済注文を出すまでは確定していません。この状態を「含み損」と言います。
含み損を抱えても、その後、相場が反転すれば損失はなくなり利益がでるため「損切りをしなければ勝てる」といった意見もあります。
しかし、金融先物取引業協会のFX実態調査によると、FXトレードで損失を出した原因に「損切りができなかったから」と回答している人が最も多かったと示されています。
このことから分かるように、損切りはFXトレードで利益を出すために必要不可欠と言っても過言ではありません。
損切りをするから負ける?
「損切りをするから負ける」「損切りをしなければ勝てる」という考え方は、実際には誤りと言えます。
FXのトレードにおいて、損失は不可避です。100%勝てる手法などは存在しません。
それを踏まえたうえで、損失を押さえ、利益を上げながらトレードを重ねていけばトータルで勝てるようになります。
そのため、「損切りをするから負ける」という考え方は1回のトレードだけしか見ていないことです。
反対に、損切りをしないとトータルで負けることになるでしょう。
損切りをしないとどうなる?
損切りをしないと、損失額が大きくなってしまった場合にロスカットにより強制的に決済され損失が確定してしまう可能性があります。
ロスカットとは、損失が一定水準に達したときに、損失の拡大を防ぐためにFX会社が自動的にポジションを強制決済することです。決済されるとその時点で損失は確定してしまいます。
ロスカットの水準は、「証拠金維持率」とも言われ、FX会社ごとに異なります。
その証拠金維持率が一定を上回るまで、損失が大きいポジションから順に決済されてしまいます。
そのため、根拠のない期待で損失の回復を待って損切りをしないでいると、急な値動きなどにより損失が膨らんでロスカットされるため、たとえその後に価格が戻っていたとしても負けてしまいます。
また、レバレッジをかけて取引していた場合は損失の幅も大きくなるため注意が必要です。
一気に資金を減らしてしまうだけでなく、追加で支払いが必要となるリスクもあります。
損切りができない人の特徴
そもそも、FXなどの投資では、利益が出ているときは早く利益確定を好む傾向がありますが、損失が出ている場合は取り戻そうと、より大きなリスクをとる傾向があります。
損切りができない人は、まさにこの特徴が強いと言えます。
行動経済学では、人は利益を得る喜びよりも損失の悲しみの方が多いため、損失を避けたいという「損失回避バイアス」と呼ばれる傾向があるとされています。
その一方、プロスペクト理論では、損失を避けたいと思うあまり、合理的ではない選択をしてしまうという性質が示されています。
FXに置き換えると、今抱えている損失を避けたいがため、根拠のない期待で損切りができなくなり、より損失幅が大きくなってしまうのです。
通常、FXのトレードは「価格が動く」と想定してエントリーを出します。
損切りができる人は、想定していた方向と反対の値動きだった場合、「予想が外れた」として、損失が広がる前に損切りをして仕切りなおせます。
しかし、損切りができない人は、値が反対に動けば動くほど「今さら損切りをしたら勿体ない。値が戻るまで待ちたい。」という考えになり、決済を先延ばしにしてしまうのです。
損切りのルール・目安
実際のFXトレードでは、適切なタイミングで損切りをするのは非常に難しいです。
大きすぎる損切り幅にしていると、せっかく日々積み重ねた利益など資金を失ってしまう恐れがあります。
反対に小さすぎても、損切り貧乏という言葉があるように、利益を得るチャンスを逃したり、損失が積み重なったりしてしまいます。
それらを防ぐためにも事前に適切な目安で「○○で損切りをする」というルールを決めておくことがとても重要です。
FXトレードにおけるルールは、以下の指標を目安に決めておくのがおすすめです。
- 値幅(pips)
- 損失額
- 損失率
- テクニカル分析
例えば「FXの損切りは10pipsを目安にするといい」などと聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その理由なども含めて、それぞれ具体的な目安について解説していきます。
値幅を目安にする
損切りのルールを決めるのに値幅を目安にするのが一つの手です。
この時の値幅とは、エントリーしたときの価格から動いたレートの数値(pips)を指します。
例えば「買値から0.1円(10pips)下がったら決済する」などです。
FXトレードの損切りは10pipsがおすすめと言われる理由は、デイトレードにおいて日常的な相場の変動に対して十分な余裕を持ちつつ、大きな損失を防げるからです。
あまりに値幅を小さくしてしまうとエントリー直後に損切りになってしまいます。
また、通貨ペアにもよりますが、多くの場合10pips動くのには時間がかかるため、トレード過多を防ぐことが可能です。
値幅を目安に損切りする際の注意点としては、取引数量によって損失幅も変わってくることです。取引数量が大きいと損失額も大きくなります。
また、スキャルピングの場合は小さな利益幅を積み重ねるスタイルなため、必然的に損切り幅も小さくすべきです。
値幅の目安は、利益確定をする幅(利食い幅)を事前に決め、損切り幅をその半分以下に抑えるのも一つの手です。
取引数量やトレードスタイル、さらにはボラティリティによっても異なってくるため、自分のトレードに置き換えて検討するようにしましょう。
損失額を目安にする
損切りのルールは損失額を目安にすることもできます。
例えば「損失額が1万円になったら決済する」などです。
損失額は他の指標に比べて明確でわかりやすいため、初心者の方にもおすすめです。
設定する損失額は、総資金の2%からという少ない額で検討しましょう。
注意点としては、明確な故、実際のトレードで具体的な損失額を見ると取り返したい気持ちになり、事前に決めた損失額を許容してしまう恐れがあります。
そのため、一度決めたルールはしっかり守るという強いメンタルが必要となります。
損失率を目安にする
固定の損失額ではなく損失率を目安に損切りするルールを決めることもできます。
損失額と大きな違いはありませんが、損失率でルールを決めておくことで、一定したトレードができるようになります。
具体的には、総資産比やポジション比で損切りの目安を決めます。
損失額を目安にする場合も、まずは損失率を決めておくこともおすすめです。
テクニカル分析を目安にする
テクニカル分析の各ツールを目安に損切りのルールを決めることも可能です。
例えば、トレンドラインや移動平均線などのラインを下回ったら損切りをする、などです。
特に、トレンドラインを目安にするのはおすすめの一つです。なぜなら、価格がトレンドラインを超えると、同じ方向に相場が動く傾向があるからです。
トレンドラインとは、相場の方向性を分析する際に引く線のことを言います。安値を結んだサポートラインと高値同士を結んだレジスタンスラインの2種類があります。
例えば、価格がサポートラインを下回った場合は下降トレンドとなることが予想されるため、買い注文の場合はサポートラインの下で損切りをするといった目安になります。
その他にも様々なインジケーターがあるため、自分のトレードに合ったものを見つけることが大切です。
ただし、テクニカル指標にはだましが発生することが多々あるため注意しましょう。だましとは、使用しているインジケーターから出たシグナルとは違う相場の動きとなることです。
テクニカル分析を目安にした損切りは、相場の動きに対応し、より損失を抑えられる可能性が高くなります。
初心者の方には少し難しいかもしれませんが、インジケーターなどを利用したトレードに慣れてきたら挑戦してみてください。
自動損切りの設定方法
損切りのルールを決めたら自動で損切りの注文を設定しておくことをおすすめします。
常にチャートを見ながら自分で損切りのタイミングを図ることもできますが、なかなか値が動かなかったり、時間が取れなかったりすることも多いと思います。
また、いざ損切りの目安に価格が到達しても、なかなか実行できない人も少なくありません。
実行出来ても、相場の値動きが激しい場合は損切りのタイミングを大きく超えてしまい、損失がさらに膨らむリスクもあります。
そこで、自動で損切りの設定ができる便利な注文方法を2つご紹介します。
- 逆指値注文(ストップ注文)
- OCO注文
事前にこれらの注文方法で損切りをしておけば、実行できないことや遅れてしまうリスクも回避できます。
逆指値注文(ストップ注文)
逆指値注文とは、価格が指定のレート以上になったら買い、指定のレート以下になったら売るという注文方法のことです。
損切り以外にも利益を確定させるために使われる手法です。ストップ注文、ストップ・オーダーとも呼ばれます。
反対に、価格が指定のレート以下になったら売り、指定のレート以上になったら買う注文方法が指値注文です。
損切りの例として、1ドル150円の時に買いで注文を出し、1ドル140円で逆指値注文をします。そうすると140円まで落ちてしまった場合に売り注文が実行されるため、140円で損切りができることになります。
このように逆指値注文を行うことにより、自動で指定した値で損切りを実行できます。
OCO注文
OCO注文とは、One Cancels the Otherの略で、価格が上がった場合と下がった場合の2つの注文を同時に出し、どちらか一方の注文が成立したら、もう一方はキャンセルされる注文方法のことです。
損切りでは、「予想通りの動きとなり利益が出たら確定し、反する動きとなり損失がでたら損切りをする」という2つの注文を出すことが可能です。
例えば、1ドル150円の時に買い注文を出し、1ドル160円の指値注文と1ドル140円の逆指値注文をします。
そうすることで値が160円まであがったら決済し利益が確定しますし、下がってしまって140円になっても決済し、損切りができます。
ストップ注文との違いは、損切りだけでなく利益確定する注文も出せる点です。
チャートを見られないときや、利益も決まったルールで狙いたい人におすすめです。
損切りをする際の注意点
FXにおける損切りは、経験のあるトレーダーでも簡単ではありません。
適切な損切りのためには以下の注意点を押さえておきましょう。
- 事前に必ず損切りするタイミングを決めておく
- 決めたルールは必ず守る
- 定期的にルールを見直す
- 損切り貧乏に気を付ける
- 根拠のないナンピンはやめる
- 両建てはしない
事前に必ず損切りするタイミングを決めておく
トレードする際には、必ず事前に損切りするタイミングを決めておきましょう。
特に初心者の頃は、なんとなくの値ごろ感でトレードすることも少なくないのではないでしょうか。
また取引毎に感覚で損切り額を決めてしまうと、トータルで見たときに利益が出ていないという結果になってしまいます。
必ず、自分のトレードスタイルや、狙いたい利益幅、取引する通貨ペアの特徴などと照らし合わせて、トータルで利益が出る損失幅での損切り額を決めておきましょう。
決めたルールは必ず守る
FXトレードにおいては、いかに損失を抑えるかが非常に重要です。損切りのルールを決めたら必ず守るようにしてください。
なぜなら、損切りができない人の特徴でも解説した通り、損切りのルールを決めていたとしても実際のトレードで実行するのは難しいからです。
自分で損切りの注文を出す際にはそのことをしっかり念頭に置き、感情を持ち込まないようにしましょう。
実行に移すのが難しい場合は、あらかじめ損切りの注文である逆指値注文やOCO注文を出しておくことをおすすめします。そうすることで投資判断が感情に左右される恐れがなくなります。
定期的にルールを見直す
一度決めた損切りのルールは定期的に見直しが必要です。
なぜなら、為替相場はトレンド相場やレンジ相場、ボラティリティなど、絶えず変動するためです。
目安となる指標と現在の相場や自分のトレードが合っているか、トータルで利益は出ているかなど、定期的に見直して微調整しましょう。
損切り貧乏に気を付ける
損切りの回数が多すぎることで、トータルで見ると大きな損失となってしまう損切り貧乏にならないように気を付けましょう。
例え、ルールを決めてしっかり守ってトレードができても、適切な損切りのタイミングでないと小さな損失が積み重なって損切り貧乏となってしまっては本末転倒です。
損切り貧乏にならないためには、損切りの目安をしっかり確認し、利益が出る損切り幅を決めましょう。
根拠のないナンピンはやめる
損切りができない人は、ナンピン買いをしてしまう傾向があります。
FXのナンピンとは、保有しているポジションに対して、相場が予想と反対に動いた場合に、さらにポジションを追加して平均取得単価を下げるトレード手法です。
漢字では難を平らにするとして「難平(ナンピン)」と書きます。
買い下げることでリスク管理となる方法として知られています。
例えば150円で買いの注文を出した後、140円まで落ちたところで再度買い注文を出すことで、平均取得価格を145.5円に引き下げられます。
ナンピンがあまりおすすめされない理由としては、FX初心者にとって難易度が高く、リスクもあるからです。
ナンピンを行うたびにポジションが増加することで、相場の動きによる損失の拡大スピードが倍増します。特にトレンド相場では相性が悪い戦略です。
また、ポジションも損失も増えていくため強制ロスカットを防ぐために追加資金も必要になる恐れがあります。
相場の状況を見極める力があれば、有効に利用できる可能性は十分にある戦略で、トレードスキルがある熟練トレーダーにも愛用している人はいます。
しかし、初心者の方や慣れていない人には決しておすすめできない戦法になるため、行わないようにしましょう。
両建てはしない
損切りではなく両建てをして損失を取り戻そうとする考え方もありますが、リスクも大きく合理性に欠けるためしないようにしましょう。
FXの両建てとは、同じ通貨ペアで買いポジションと売りポジションを同時に保有することです。
一見、一方のポジションの損失を、反対のポジションで得られる利益で相殺し、損失を減らすことが可能です。
しかし、損失のほかに、二重負担やスワップポイントがマイナスになる可能性も高く、必要な証拠金も両方に対して必要になります。
また、どちらも損失を生んでしまい、最終的にどちらのポジションも損切りをしなければならないリスクもあります。
そもそもFXのトレードは、しっかり相場を分析し、今後の動きを予想してエントリーするものです。
最初のエントリーで相場の読みを誤っていたとなったら、損失カバーのためだけに反対側のポジションを持つのではなく、一度損切りをしてリセットし、再度戦略を立て直すべきでしょう。
まとめ
FXで安定的に利益を出すためには、損失は避けられないことをしっかり理解した上で、総合的に利益を出せるように戦略を立てましょう。
そのためには損切りは必ず必要です。また、損切りは何となく行うのではなく、ルールをしっかり事前に決めておくようにしてください。
損切りのルールや目安などを自分のトレードスタイルと擦り合わせ、損小利大となるようなトレードを目指しましょう。
前職ではWEB制作会社にてSEOを担当。コンテンツSEOを始め、外部SEO・内部SEO施策に従事。SEO歴は5年目。過去には国内大手航空会社客室乗務員など接客業も経験あり。現在は、チーム異国の戦士としてWEBマーケティング担当としてカスタマージャーニーに携わる。個人では積み立てNISAから始まり、現在はFXトレードを修行中。
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